病気と健康

【抜歯】人生で初めて抜歯をしたので素敵な一部始終を紹介(親知らず以外の歯)

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抜いた歯の残骸。神経抜いて10年もした歯はこんなん・・・。言葉も出ない。

「抜歯」ってネット検索すると必ず親知らずについてのページばっかり出てきてうんざりしている抜歯が間近に迫っている諸君のためにお届けしたい記事。

現実はそんなことないと思うが、ほんとインターネッツの世界では「抜歯=親知らず」ってくらい偏った情報ばかり。ネット民はそんなに親知らずが好きなんかなぁ。俺は大嫌いだが(断言)。

その背景には親知らずの抜歯は正義であり、ポジティブな人間がとる行為であり、エンタメやビジネス、時にパズるためのキーワードになったりするからだと想像する。

そんなこんなで、今回の抜歯経験談は吾輩の人生初となる「親知らず以外の歯」についての抜歯経験をお届けする。ちなみに、親知らずは水平埋伏智歯で総合病院の口腔外科でもリスクが高いから抜かない方がいいと断られたので抜いたことはない。

歯医者で抜歯宣告されたけど現実を受け止めるのが辛い貴方や、抜歯処女のために不安で不安で眠れなくて、日中も毎日カリカリしている君にお届けしたい。

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結論=普通の歯の抜歯は5~10分であっされ終わることが多い

普通の歯とは、すなわち歯茎に埋まってるような特殊な症例は別にして、これまで普通に使っていたけど虫歯や歯周病その他のために抜くことになった歯のこと。もちろん、親知らずは含まれない。

人間の歯は親知らずを除くと通常28本あるが、前歯側を1番として左右に番号が振られている。番号には方角がついて右上6番というふうに呼ぶ。歯医者に行った時に「4番c2です」とか検査をすることがあるから何となく知っているのではないだろうか。

今回、拙者が抜歯したのは左下7番である。親知らずの手前にある奥歯で、第2大臼歯ともいう。

ガキの頃生えた歯を一生使うのが人間の定め

今回抜歯した歯が生えてきたのは人間の通例でいうと12歳ころまでのいつかだと思う。親知らずを除くとそのくらいで永久歯が生えそろうのが人間の定番だ。

人生80年と考えたら、40歳くらいで生えるか生え変わるかしてくれるとありがたいが、残念ながらそうはなっていない。

この12歳までに生えた歯を一生使え、というのが人間の定めなのだ。

奥歯を失う人が多いのも人間の定め

奥歯というのは歯を保護する役目がある唾液が行き渡りにくいうえに、位置的に歯ブラシなどでの掃除がしにくい。

そのため、前歯などに比べると虫歯になる確率が高いのだ。

拙者の行きつけだった歯医者の歯科医師などの歯の専門家ですら、7番の奥歯は抜歯してインプラントだと言っていた。

ちなみにインプラントを知らない人に説明すると、保険外診療の人口の歯を埋め込むという比較的最近の技術。1本50万円くらいかかるらしい。あんまり安い所は悪徳だったり、結果が思わしくないなどのトラブルが起きることもあるという。個人的には気軽に手を出せるものではない。道路脇の看板で見かけたことがある人も多いだろう。

抜歯に至った経緯、歯のプロフィール

この歯を治療した時期は割とはっきり覚えている。

なぜなら某歯科医院が新規開業したピカピカの頃に治療した歯だからだ。

12年ほど前のことだ。

「結構大きい虫歯ですよ~」とか言われてゴリゴリ削られ、何の気なしに神経をとる処置もした。

神経を取るなんてよく言うが、今になって思うに、歯の神経を取るということは人間で言えばキンタマをとるようなものである。

歯にとって一番大事なものをとって外側だけを残すのが神経を取るという治療の正体だ。

保険診療では大体は手抜きされる神経の処置

手抜きというと語弊があるが、歯の保険診療というのは、良くも悪くも全国一律でどの歯科医院でも同じ治療を受ければ基本的に同じ料金で治療できるということ。

ベテラン歯科医が担当しようと、新人のピチピチ歯科医が担当しようと同じ料金だ。世の中には悪徳歯科医院もあれば、利用心的な歯科医院もある。

それらをひっくるめて全部同じ料金なわけである。

概して、歯科治療における保険の点数は内科などの歯以外の治療に比べると、命に直結しないものだからと偉い人に軽く考えられているからなのか、低めの診療報酬になっているという。

その最たるものが前述の「神経を取る」という治療なのだ。

ちゃんとやろうとすると手間がかかるうえに全然儲からないし、神経を取ったあとは最終的に被せモノをして塞いでしまうので患者から歯良し悪しがわからない。

だから、普通は保険診療では、多少の差はあるにしても適当にやらざるを得ないのだという。

そのため、保険診療での神経を取ったり根の処置は、日本の場合は諸説あるが成功率40~50%程度だという。

大体は数年後にトラブルが発生してしまうし、そもそも神経すなわちキンタマを取られた歯は脆くなってしまい、人間の寿命まで耐えられるほどの生命力は持ち合わせていない。むしろ、キンタマを取られた時点で生命力はゼロだ。

拙者の場合は被せモノを付けるところまでだと計4回くらい通った気がするが、途中、仮の詰め物がよくないのが消毒不足かで、痛くて痛くて駆け込みで再処置して貰った記憶が鮮明に残っている。

神経を取ったのに12年くらいして激痛と歯茎の腫れ

普通は神経を取った歯はキンタマを取られたも同然なので、痛みを感じることはない。進行した虫歯でも神経を取れば基本的に痛みは消えるのである。

しかし、神経を取った歯でも周りの歯茎や顎などの神経は当然生きているので、歯の領域を超える炎症などについては痛みを伴うことがある。

むしろ、痛みを感じるということはトラブルが起きたという危険信号を本人に伝えているのでありがたいのだ。そういう意味では神経を取った歯は痛みの信号を送るのに難があるので、全身的な意味での管理上もよろしくない。

なにしろ歯のトラブルが原因で骨隨炎(骨に炎症が広がる難病で入院治療などが必要)などの重い病気にかかる場合もあるのだという。これは紹介された総合病院の口腔外科で担当医に言われたことである。

そんな通例もあって、拙者の神経を取った奥歯は12年目にして噛むと激痛が起こり歯茎にはぽっこりとした腫れができるようになってしまった。調べると歯根膜炎のような症状だったと思う。

神経を取った歯だって、痛くなる時は痛くなるのだ。そして、その時には歯を残せない状態になっている可能性が高い。すなわち抜歯である。

痛みは1週間程度で弱まってきたが、腫れは歯医者を渡り歩いて後に抗生物質4日間ぶんを処方して貰って治まったが、1か月くらい続いた。

歯茎が腫れた場合は前述のように骨隨炎に繋がる場合があるので、できるだけ早く抗生物質などを処方して貰った方がいいという。

歯医者と口腔外科を渡り歩いて3か月して抜歯

なにしろ二度と生えてこない永久歯の抜歯である。

最初に行った歯医者で「こりゃ7番を抜くしかないな(キラッ)」と抜歯宣告されて途方に暮れて、別の歯医者で意見を効くことにしたのだが、隣接している水平埋伏智歯(歯茎の中で横向きに埋まった親知らず)が関係している疑いもあったので、口腔外科をさらに紹介して貰った。

これついては少し前に書いた別記事でも触れたが、親知らずではなくて7番のトラブルが原因であることが確実視されたのと、「お前の親知らずは神経が近すぎて抜くのが危険。障害が残っても責任取れないから抜かない方がいい」的なことを言われてしまうオチだった。

7番も放っておくと抜くのが危険な親知らずに炎症が広がったり、比較的健康な6番なとのお隣さんにまで炎症が広がってしまう懸念があった。さらに、骨隨炎という全身症状で「入院するハメになるよ」とのことで、そりゃ腹くくるしかないなと思った。

確かにレントゲンやCTの画像で見ると根の分岐部あたりに黒い影のようなものがある。病巣というか、骨が溶けているというような説明を受けた。

きっと素人でもわかりやすいようにかみ砕いて説明してくれているのだろうけど、このあたりは歯学部の専門知識がないと素人には理解は難しかった。

ヘミセクションとルートセパレーションという手もあるが

全く聞いたことがない治療法だが、ヘミセクションとルートセパレーションという治療法がある。

これは口腔外科の先生かチラっと言われたレベルだが、根や歯茎の状態によってはヘミセクションとルートセパレーションというやり方で歯を部分的に残すことができるという。

ヘミセクションは奥歯に適用できる場合があって、下の奥歯の場合は2つ根があるが、片方の根の部分だけ抜いて、根を1本にするという方法。他の歯とブリッジにしたりするらしいが、素人考えでも歯に負担が大きいだろうし、あまりうまく行く気はしなかった。実際、予後はあまりよくなくて数年で抜歯になることも多いという。

ルートセパレーションは拙者みたいに分岐部の限定した病変がある場合に、歯を真ん中で2分割した上で、分岐部を外部に露出されるようなやり方。空気に触れさせれば治療されるようなイメージなんだと思う。根が2つの下の奥歯に適用される。

歯は2分割されて小さい歯が2つになるような感じで、被せモノによって1つの歯に見せかけることができるらしい。で、真ん中部分は空洞になっているので歯間ブラシで丁寧にメンテナンスする・・・。難儀な感じはするけど、歯を残すのは大変なのだ。

どっちも基本的に保険診療でできるらしいが、そもそも予後が悪いことが多いそうで、歯医者によっては割に合わないのと、歯の状態によってできるできないがあるから、歯医者探しに苦労するかもしれない。

ネットを探しても保険診療でやってますというところもあるが、自由診療のところもある。そもそも、ヘミセクやルートセパレーションは普通の一般人が知らないだけあってネット情報が少ない。

抜歯自体は10分くらいで説明や消毒など含めて計30分

親知らずの抜歯となると、人によって2時間格闘しただの4時間粘っただのゾッとするネット情報も多いが、普通の歯の抜歯は先生の腕にもよるが新人とかでなければ5分~10分の話だと思う。

とは行っても外科手術の領域なので、事前に「飲酒や入浴は控えること」などの注意事項の説明や、出血時の対応の説明などが入念にされ、一筆署名を求められた。色々説明してくれる歯医者の方が安心だろう。

事前の診察の時に抜歯後の感染可能性を下げるために、全体的な歯のクリーニングを行った。緊急的な抜歯以外ではワンステップ踏むこともあるだろう。抜歯自体の保険点数は低くて、3割負担で通常抜歯だと数百円程度なので、周辺的な治療も組み合わせることも多いと思う。

処置中は先生と助手に左右を固められた恰好で行われた。

部分麻酔が効いて全く痛くない

事前に言われていた通り、虫歯の治療みたいにしっかり麻酔をする。

しびれ具合から言うと、喉の方まで麻酔の感覚があるくらいだったので、かなりしっかり目に麻酔をされていたと思う。押されても引っ張られても全く痛くなかった。

奥歯の場合、根が二つあるので真ん中で切断して2つの歯にして抜歯するのが一般的だと思う。

最初はそのまま引っ張ろうとしていたが、ダメっぽかったので歯を削る「ウィーン」っていうやつで切断している音が聞こえた。

3~4回くらい、顎を引っ張られるような力が加わる場面があったが、開始から5分か6分くらいで小さく「よし」というより声があり、たぶん抜けたのかなと思った。先生によっては状況の説明もしてくれるかもしれないから、実況があればもっと安心したかもしれない。でも、先生も真剣勝負だから求めていいものかはわからない。

で、途中から思ったのは、助手の理系っぽい女性がいたのだが、フトモモが密着して生暖かったということ。

むしろ、気をそらすのにすごく役立ったが、フトモモを密着されると抜歯の恐怖と緊張が和らいだのは確か(笑)

意図的なものではないけど、こんなにフトモモ密着してくれるんだったら何本でも抜歯するわい!!

まとめ フトモモが密着するならば抜歯の恐怖はないに等しい

我ながら、まとめがこれかよ・・・って感じだけど、男性だったら可愛い助手がいる歯医者とか、女性だったらイケメンの先生がいるところで抜歯して貰うのが一番心安らぐと思う。

フトモモがこんなにも安定剤になるとは思わなかったし、途中からフトモモばかり考えていて、注意事項の説明とかも頭に入らなかったわい。

抜歯後はそのまま糸で縫って1週間後に抜糸になる予定。

出血もほとんどなくて、今の所ALLハッピー。当分、骨隨炎とかの心配もいらないし、フトモモよかったなーというのが今回の感想。

親知らずの抜歯記事とかだと抜歯後にアンパ〇マンみたいに腫れて死にそうとかよく聞くけど、激痛で夜中に歩き回るとかの事例も聞くけど、そんなのも全然ないし、痛み止めもいらないくらい何ともない。きっと私立の歯学部卒の先生が上手かったのだろう。

もちろん、人それぞれだから難抜歯に相当するものとかは別だろうけど、抜歯に相当ビビっている人の生きるヒントになれば幸い。フトモモのおかげで想像より大したことなかったな・・・。

余談 そもそも神経を簡単に取っちゃいかんという話

ある程度進行した痛みのある虫歯の場合、歯医者に行くと何の気なしに「神経取りますね」とかいって歯髄をゴリゴリやられてしまう。

神経を取った歯は枯れた気も同然。物理的にはもちろん、歯自体に栄養が行きわたらないから脆くなり、奥歯とかだと体重と同じくらい力がかかるから、内部で割れたりして感染が起きてしまう。そうなると抜歯だけが現実的な対応策となってしまう。

最近は保険外診療で直接覆髄法 (ちょくせつふくずいほう)という治療法があり、「MTAセメント」という新素材を使った最新の治療だという。神経が生きていれば大きめの虫歯でも神経を取らずに済むという。もはや歯科領域における保険診療は国民皆保険の弊害で安いのだけが取り柄に思えなくもない。

何もしないでも痛むような場合は適応にならないなど制限もあるが、治療費は1歯あたりトータル10万~くらいらしいし、やっている歯医者が少ないという現状はあるけど、怪しいインプラントとかの方がもっと高額でトラブルの話も聞くから、自分の歯を残せるなら可能な限り残す努力はした方がいいだろう。