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【レビュー】歴史に残る大作RPG「クロノ・トリガー」を今更プレイした感想(ネタばれあり)

初代プレステも発売されたSFC最後期にあたる1995年3月11日に定価11,400円(税別)で世に登場した「クロノ・トリガー」は歴史に残る大作RPGとしての呼び名が高い。特に海外での評価が高いという。

当時の時代背景や大作RPGと言われる所以などを独断と偏見、完全個人の感想として、ネタばれありで今更プレイした感想を少し綴ってみたい。

クロノ・トリガーが生まれた時代背景

1995年頃を生きた人にとっては、何かとつけて激動の時代であったことは説明不要であろう。

2023年現在のわかる人にはわかるけど、なんだか多くの人にはいまいちパッとしないスマホの新機種やらAIやらの微動なんかではなく、「次世代機」と言われたゲーム機であるプレステやセガサターンが登場したり、PC界隈ではインターネットができるWindows95が爆売れした時代である。

電気屋さんにインターネットを買いに行く人が続出した時代なのだ。

そして、クロノ・トリガーのストーリーにも関わる重大な出来事が「1999年に地球が滅亡する」というノストラダムスの大予言。

2000年代以降に生まれた人には?マークしか浮かばないと思うが、当時の常識としては1999年に地球が滅亡することになっていたのである。

地球滅亡に備えて食料を買い占めたり、自宅の庭に地下防空壕を構築したり、全財産を叩いて豪遊に走ったりした人もいたかもしれない。

そんな地球滅亡ムードの中に生まれたのがクロノ・トリガーなのだと思う。

クロノ・トリガーのストーリー(ざっくり)

少年漫画風の王道展開で、いわゆるタイムトラベルもの。

映画の「バックトゥザフューチャー」の如く、過去や未来を行き来して人類が滅亡する未来を救うために主人公たちは冒険をする。

「バックトゥザフューチャー」と同じで、自分の先祖が死んでしまうと自分が生まれて来なくなるというような、過去の出来事が現在や未来に影響を与えるタイムトラベルものでありがちな王道ストーリーである。

自分のとった行動というか、ラスボスを倒したタイミングなどによってマルチエンディングであるのも特徴。

一つの広大な世界を冒険するRPGに比べて、同じ地域の過去、現在、未来を行き来するため、一つ一つのフィールドマップは小さめ。

プレイヤーの分身である主人公が死んでしまう展開や、序盤でタイムトラベルを利用してラスボスに挑んで全滅してバッドエンドになったりと、当時としてはもちろん、今の時代でも通用する斬新な演出も多い。

クロノ・トリガーの世界観

クロノ・トリガーでよく言われるのは「ドリームプロジェクト」という、当時の二大RPGであり、ライバル関係にあったドラクエとファイナルファンタジー(以下FF)の作者がタッグを組んで生まれたゲームということ。それに加え、世界的にファンの多いドラゴンボールの作者がキャラクターをデザインしていたりと、まさに夢のプロジェクトとして生まれたゲームなのだ。

ゲームシステムとしてはFFシリーズでおなじみの魔法やアイテムなどの名称の多くが引き継がれていて、ユーザーインターフェースはFF寄り。そこにドラゴンボール風にデザインされたキャラクターが活躍する。

そして、プレイヤーの分身たる主人公はドラクエ風の喋らないタイプである。

喋らない主人公のデメリット

FF風のインターフェースで喋らない主人公なので、FFシリーズの自己主張したり自分語りしまくる主人公になれていると違和感を感じやすい。

周りのキャラクターはFFと同じように喋りまくるが、主人公に意見を求めたりすることがないので、いまいち盛り上がるべきところで盛り上がらないというデメリットを感じてしまうこともある。

発売から30年近く経った現在プレイするとどうか

その後にPSやPCなど他機種に移植されているので現在でもプレイすること自体は容易。

ただ、元がスーパーファミコンで発売されたゲームで、あくまでも移植であり、現代のゲーム機の技術水準に合わせたリメイク作品は登場していないため、ドット絵のキャラクターたちが活躍するゲームに愛着を持てないと終始楽しんでプレイするのは難しいかもしれない。

序盤からラスボスに挑めるものの、地球を滅ぼすほどの存在なので1周目では勝てるわけがない強敵のため、序盤でラスボスを倒してやろうという心意気はあっさり崩れ去ることになるだろう。

クロノ・トリガーは90年代の地球滅亡ムードの世界観を味わいつつ、過去や未来を行き来して、まさしく夢のプロジェクトとして終結した豪華スタッフ陣が手掛けたRPGである。

RPGファンで未プレイの人は、ぜひ手にとってみる価値はあるだろう。

クロノ・トリガーの激ムズ(?)ハマりポイント

ストーリーで言うと、後半の最終決戦の少し前くらいに死んでしまった主人公のクロノを生き返らせるために向かう「死の山」は所見プレイヤー泣かせのまさに死の山なのである(笑)

死の山の場所がまずわからない

直前のイベントがあった場所の右上のあたりにある何でもない山が「死の山」である。

風景に溶け込み過ぎてわからないが、キャラを当てていくと「死の山」と表示されて入れる。

大体、クロノ・トリガーは時代を行き来するから、同じ場所でも時代によって違ったりするからわかりにくいし、地名が頭に入らないよね。SFC時代のゲームだから今どきのゲームに比べると、次どこに行くとかのヒントが少ないし。

死の山の突風で飛ばされてしまう

死の山の最初のマップからして鬼畜ゲー。なんでこんなクソゲー要素を入れたのか理解不能。

RPGだけど所々、妙にアクション性が要求される場面があって何だかなーと思ってしまう。

攻略のコツとしては木の陰、上から風邪が吹いてくるので木の下で待機すれば飛ばされない。キャラ2つぶんくらいは風邪を防ぐ効果がある。

手前の1本目の木と2本目の木で2回ずつ待機すれば通過できる。

死の山の滑る道がクソゲー過ぎる

同じく死の山だけど、後半あたりでまたしてもクソゲー要素が出てくる。

雪国出身だから筆者は滅多に滑らないけど、キャラ3つぶんくらいしかない斜めの細い道を上から吹いてくる風の影響を考慮しながら進まないとならない。

30回くらい落ちてプレイ動画でやってる人のを見てコツがわかったけど、まずダッシュは使わない。

滑るというか、正しくは同じ強さで上から吹いてくる風で飛ばされないというのが正しいので、滑るゾーンに入ったら常にカーソルの上ボタンを入れておく感じ。

上を入れたまま、ちょこちょこ左を押せばいずれ通過できる。

大事なのでもう一度言うと、滑るのではなくて同じ強さでずっと上から風が吹いているイメージ。移植版とかでコントローラが使いにくい場合は絶望的な難易度の気がする。

マルチエンディングの中でも主人公を生き帰らせるための正規ルートだと思うけど、こんなクソゲー要素はいらん気がしてならない。

余談 SFC売却の際に念を押された思い出

ちなみに、筆者はリアルタイムでは前年に発売されたFF6まではプレイしていたものの、PS購入のためにクロノ・トリガー発売前にSFC本体を売却したのでリアルタイムではプレイしたことはなかった。

SFC売却の際に中古ゲーム屋の店員のお兄さんに「クロノ・トリガーやりたくないの? 売っちゃっていいの?」と言われたのは未だに妙に記憶に残っている。

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【書評?】 あの「シーマン」の関連本、ジャン=ポール・ガゼーの日記-失われた24日間-

1999年にドリームキャストで発売された会話ができる人面魚を育成する「シーマン」というゲームの関連本である。ネタばれ(?)あり。

ゲームの攻略本でもないし、歴史本でも科学本でもない。

シーマンの世界観に不思議なリアリティを与える本

図書館でこの本を手に取った時、さらっと目を通しただけではどういう位置づけの本なのかわかりづらかった。

本の体裁としては一見すると「シーマンは実在する」という前提で書かれているのが特徴。

フランスの科学者がどうのこうのとか、エジプトの文明がどうのこうの・・・という下りでは信じてしまいそうになる。

ただ、表紙や挿絵として挿入されているのが、あの「シーマン」なことから全てはフィクションであると考えるのが妥当であろう。

そもそも「シーマン」というゲームについて

元はドリームキャストで発売されたゲーム。

据え置き機でありながら、リアル時間で育成しないとならないので忙しい社会人や不規則な生活をしている人にはクリアが難しいゲームだったりする。まさに生き物を飼うのと同じような感覚。

今でこそ、そのへんのスマホやスマートデバイスに音声認識が当たり前のように搭載されているが、1999年の家庭用ゲーム機用ソフトとして発売された「シーマン」に音声認識が搭載されていたのは、当時としては革命的なことであったと思う。

音声認識の精度はあまり高くはないものではあったが、一度見たら脳裏から離れない姿のくせして人生相談を持ち掛けてきたりするものだから、当時はちょっとした社会現象にもなったという。

その後、ドリームキャストが製造中止になってからはPS2に完全版として移植されたりもしたが、シーマンはひょっとすると「OK Google」の先駆けではないかと思ったり思わなかったりする昨今である。

スマホに移植されたら、持ち運べるシーマンとして再ブームになりそうだけど、持ち運べるのもちょっと嫌かな(笑)

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【PS4】「新サクラ大戦」ゲームレビュー(ネタばれあり)

PS4「新サクラ大戦」のゲームレビュー、クリア感想、ネタばれあり。

シリーズに愛着のない素人による独断と偏見で個人の感想。

かつてセガサターンで一世を風靡したサクラ大戦

90年代を生きた人とか90年代にゲームをやってた人なら「サクラ大戦」はプレイしたことがなくても、名前くらいは大抵知っているはずだ。

なんせアーケードとかからの移植作を除けば、セガサターンで一番売れたゲームがサクラ大戦なのだから。逆に言うと、セガサターンは移植作ばっかりのゲーム機だったとも言えるけど。

ただ、当時セガサターンを持っていなかった筆者みたいな、先見の明ある(笑)PS派ゲーマーにはサクラ大戦をやったことがないという人も多いのではないだろうか。もしくは、その後にPSPなどの携帯機に移植された作品だったり、PS2に移植されたリメイク作をプレイしたという人もいるかもしれない。

ざっくりと初代サクラ大戦のゲームシステムについて

PS4「新サクラ大戦」を語るには、初代のサクラ大戦をある程度知っておかないと優劣を語れないし、世界観などにおいてけぼりを喰らってしまう。

よく知っているという人はスルー推奨で、個人的に理解しているサクラ大戦のゲームシステムについて説明する。

サクラ大戦のゲームジャンルとしては、ギャルゲー+戦略SLGといったところ。

その後に影響を受けたのか、似たような組み合わせのゲームは雨後の筍のように増殖しがちになったが、当時としては斬新だったのか、キャラクターや世界観が受けたのか、あるいは複合的な要因で大ヒットになったのだと思う。

ストーリーはアニメのように「第〇話」という区切りになっているのも特徴。

架空の太正時代の東京が舞台で、蒸気が異様に発展している世界観。蒸気とかで動くロボットのような機械に載って悪と戦うストーリー。

一つの話の前半でギャルゲー的な立ち絵が表示されるアドベンチャーパートがあり、会話の選択肢によって、後の戦略SLG部分のパラメーターに影響が出る仕組み。

話の後半にある戦略SLGは、チェスや将棋に近いものがある。レベルや装備のカスタマイズといったものはなく、RPGみたいにガチガチに育成して細かな戦略を立ててクリアする・・・というわけではないが、ある程度はその手のゲームに適性は必要なものの、比較的ライトな難易度とされている。

なので、基本的にはギャルゲーとかキャラゲー寄りのゲームという理解でいるが、女性ファンが多いのも特徴と言えるだろう。

最新作の「新サクラ大戦」はどう進化(退化)したのか

筆者は購入前から評判がよくないのは知っていた。なぜなら実質200円(+送料300円)で買ったからだ。現行機であるPS4のゲームが200円で買えるというのは、クソゲーでしかない何よりの証拠。金額が全てを物語っている。

ただ、かつて社会現象にも近いブームを巻き起こした(たぶん)ゲームの最新作だし、販売元がセガで龍が如くの技術が使われているらしいし、グラフィックとか動画を見ても他のマトモなゲームとの差は感じなかったので、逆に200円であることに興味が惹かれたのだ。クソゲーマニアというほどではないが、プレイしてみたくなったので購入したのである。

プレイしてすぐわかる欠点

欠点は色々あるが、製品版であるはずが「これって開発中のデモ版?」と思わせる部分が多かった。

アドベンチャーパートの3Dの画面や操作感は一見すると、龍が如くシリーズのそれに近い。

ただ、ストーリーが進むと色々な拠点が探索できるものの、会話できる人が少なかったり、会話しても意味なかったり、拠点ごとが実はすごく狭かったりと、世界観を堪能できるものではなかった。

拠点となる劇場の建物内ですら、部屋に入ったりフロアを移動するとローディングが挟まる。龍が如くシリーズなどに比べると、スムーズな移動ができていない。せっかくの現行機のスペックが生かされていないような気がした。

ストーリーへの没入感を妨げる多数の要因

街が狭い(狭すぎる)とかローディングがうざいというのは我慢すれば済むが、もっと深刻に感じたのはフルボイスではないということ。

龍が如くシリーズだって6以外はパートボイスを採用しているが、ストーリーの大事なところはボイスが充てられている。

しかし、新サクラ大戦ではストーリーの大事なところでも、なぜか途中から口パクになってしまう。キャラクターは口元が動いているし、身振り手振りなど細かな動きが設定されているのに口パクなものだから、「開発中でまだ声が入っていないのかな?」とか「バグで声が出なくなったのかな?」とか違和感が強かった。

龍が如くシリーズなとでは声が充てられていないシーンでは、キャラクターの動きが簡素になるのが通常だけど、声だけ出ない状態になるので不自然さが強いのである。

アニメパートの不自然さ

かつてのセガサターンなどのゲーム機では、ドット絵のような画面だったり、スペックの問題で荒いグラフィックの3Dパートだったが、新サクラ大戦はPS4なのでキャラクターもロボットバトルのシーンも、どちら現行機のリッチなグラフィックとなっている。

しかし、かつてのサクラ大戦の特長を引き継いだためか、3Dパートとは別に手書きのアニメパートが時折挿入される。キャラクターの顔つきが違ったり、アニメパートが違和感を増長させる要因になっているようだった。

昔のゲーム機だとアニメパートでリッチさを演出できてたのかもしれないけど、例えれば、龍が如くでイベントシーンが手書きアニメと言えば、新サクラ大戦の違和感が何となく伝わるはずだ。

操作性がクソなバトル

新サクラ大戦は初代サクラ大戦のように、話の前半はアドベンチャーパート。

話の後半はアクションバトルとなっているが、これはもう、とにかくダメダメ。一瞬だけ楽しいと思える瞬間もあるにはあったが、9割くらいは楽しくないし苦痛。

バトルは無双シリーズみたいな特長のない同じ敵が大量に湧くタイプ。でも、こっちは無双というほど強くはないので、倒すのが面倒くさい場合が多い。

特に宙に浮いている敵。ジャンプして一匹ずつ倒すのが基本。

全体的に雑魚は強くはないが、面倒臭いバトルが延々と続く。

基本的には龍が如くと同じで、ボタン連打で雑魚もボスも倒せるが、たまにやたら強いボスが出てくる。

クリア直前になってわかったが、R1ボタンで回避するとしばらく時間を止められるのだ。その間に叩きまくれば余裕なのだが、仲間の機体も止まってしまうので、みんなで戦うのが帝国華撃団のはずなのに、一人で戦う華撃団になっている。

そもそも、初代とかだと皆で戦うのが当たり前だったのに、新サクラ大戦ではアクションになったからか、技術的な都合かでプレイヤー機と話のテーマになっている仲間の2機しか使えない。

たまに他の仲間から無線が入ったりするけど、見えないところで他の仲間も戦っているということなのかな。どういう設定なのかクリアまでよくわからなかった。

操作性がクソすぎるアクションパート

なんかで似たようなゲームがあった気がするが、3D空間で移動する床を操作性の悪いロボットでジャンプして渡っていくようなアクションを要求される。

落ちてもノーダメージで直前から何度でもやり直すことができるが、ひたすら落ちまくるのでクリアまでに200回くらいは落ちた。

なんせ勢いをつけてダッシュすると止まらなくて落ちるし、デカい蛇みたいのが襲ってきて落とされるしストレスが溜まる。特にゲーム後半に顕著で、買ってしまったからとりあえずクリアだけしようと思っても、心が折れてしまうかもしれない。

垂直の壁に横滑りするアクションも、ゲームクリア直前になってコツを掴んだが、壁にダッシュで突っ込むわけだが、初めはどうやってもうまくできなくて苦労した。

アクションゲームがすごい得意な人にはなんてことないし物足りないくらいかもしれないけど、苦手な人だとストレスが溜まるのでクリアが難しいと思う。難易度設定とかもないし。

ギャルゲーだけどキャラクターが微妙すぎる

セガのゲームにありがちだけど、キャラクターのデザインが微妙。

普通のバトル中心のゲームならいいけど、アドベンチャーパートというか、ギャルゲー部分が重要なゲームだけに、メインヒロインをはじめ、キャラクターがイマイチ可愛くなかったり、デザインがバラバラだったりで、攻略するモチベーションがあまりわかなかった。

その割に、サクラ大戦の伝統なのか、適当に選択肢を選んでいても誰かしらとは結ばれる仕様みたいで、いつのまにかラブラブになっていてびっくりした。ギャルゲーとしても攻略しがいがないような気がする。

後半のアクションはかなり腹が立つけど、200円だったら意外と楽しめたような気がする。なるだけ2周目は遠慮したいけどね。