泣く子も黙る老舗スピーカーメーカーと言えばJBLだ。
そのJBLによるBlutoothスピーカー「FLIP4」を近所の某中古店で税込み3000円(!)という破格で購入したので音質等々、独断と偏見でレビューしてみたい。
なお、最近聴く音楽ジャンルはジャズ、ボーカルなしのイージーリスニング、シティポップスwあたりなので、色々ご察し頂くのがよろしいかと。
いくらなんでも相場はもうちょい高い気がする
まずこのスピーカーを買った理由としては、夕食前のお散歩でたまたまブックなんとかという、某中古店のオーディオコーナーを訪れたのが最大の理由。ここは大型店なので本だけでなく、家電なども扱っているのだ。
付属品はストラップのみだけど、充電ケーブルは汎用のマイクロUSBだし、使い方も一般的なBlutoothスピーカーと同じで、基本的にボタン押してスマホなどとリンクさせるだけだし、天下のJBLなら公式サイトで説明書もダウンロードできるし、全く問題ない。
見た目もキレイなのでバッテリーも酷使されていないのが想像できるし、いざとなれば保証3か月あるから不良品だったら返品しようと即決したのである。
ちなみに、FLIPシリーズは後継機として見た感じが大体同じFLIP5やFLIP6があって、それらの新品だと1万5千円くらい。
スマホとかみたいに後継機が出ると中古が値下がりするんだろうけど、それにしても安すぎて、値段の付け方間違ってるんじゃ・・・と思いつ、日頃の行いの良さだと解釈して手にしたのだった。
音質の傾向は低音ブーストすぎ?
このへんはマーケティング的な理由が大きいと思うけど、FLIP4の音質は一言でいうと想像以上に低音がブーストされたサウンドである。
仕様的には4インチのスピーカーユニットが2つでステレオ再生(たぶん)で、左右にパッシブラジエーターがあり、再生中はパッシブラジエーターがぶんぶん振動する。
周波数帯域は下は70Hz、上は20KHzまで。この数字だけでいうと、ちゃんとしたピュアオーディオや音楽制作用のモニタースピーカーと同じくらいだけど、聴感的におそらく200Hz前後に低音のピークを作っている感じがある。100Hzや70Hzなどの本当の低音は、チェック用の信号を流さない限り、ほとんど聴こえないのではないかと思う。
モニター系のスピーカーの場合は、できるだけフラットなバランスだけど、この手のスピーカーはマーケティング的に「サイズを超えた低音ブンブン」なのが好まれるからだろう。
普通のなアパートや安いビジネスホテルなどの部屋の中で再生したら、そこそこ音量を上げると低音がどんどんブーストしてしまい、苦情が来るのではないかと思う。
質はともかく、低音(正確には中低音)ブースト気味なサウンドが好きで、ポリュームを気にしなくてよい人の場合は、低音の不足にがっかりするということはないと思われる。
ステレオだけど小さいから点で鳴っている印象
ネットでちらっと調べた範囲だと、なんでも後継機はモノラル再生だというが、FLIP4は2つのスピーカーユニットだから、ちゃんとステレオ再生しているのだという。(本当にそうなのかは詳しく調べていないので、らしいというレベル)
レコード時代のジャズなんかは、左右きっかりに楽器ごとに録音が分かれていたりするけど、そういう音源だと音質的に有利なのかしらん。
ただ、ステレオ再生と言っても、サイズ的にどうしても空間というよりは「点」でなっている印象にはなってしまう。
複数のFLIP4があればそれぞれを一つのスピーカーに見立てて、本当の意味でのステレオ再生ができるというか、JBL公式のスマホアプリを使って100台とかリンクできるんだとか。
公式の商品写真では縦置きで使われているのもよくみるし、縦置きの方がスマートに設置できる気がするけど、そうなるとステレオもクソもない気がする。後継機がモノラル再生だとしたら、そんな理由かな。
実際、この手のポータブルスピーカーが本当のステレオっぽく音を出すには、2台買って左右の間隔を開けて設置する必要があると思うし。
FLIP4に向いているジャンル
JBLといえばジャズ向きのスピーカーというイメージがあるが、FLIP4などポータブルタイプのスピーカーだと、ポップスやヒップホップ、ダンス系などが主戦場の気がする。
音楽制作系の視点でいうと、ポップスやヒップホップ、ダンス系などの楽曲はそもそもが低音~中低音を強調した音作りがされる。ダンス系だと耳に聞こえないレベルの超低音を入れたりするくらい。
低音~中低音が強調された音源をFLIP4で再生すると、さらに強調されることになるので、ジャンルが持つポテンシャルが引き出されるのだろうと思う。
ちなみに、ジャズを再生すると意外と心地よいサウンドだった。フルレンジの4インチスピーカーユニットにしては、中高域が繊細な音をしているので、生楽器の音がキレイなのである。
ただ、ベースやバスドラムが激しい曲だと、どうしても下が伸びないのでモワモワっとしてしまうのが残念な点であった。
静かめのジャズだったら、なかなかイケていると思う。
FLIP4の良さを生かす使い方を考えてみた
ポータブルスピーカーというくらいだから、出先やアウトドアなどに持ちだして使うのが基本だろう。
ダンスとかやってる人が練習の時に持ち出して使うとか。低音をズンズンしたいパーティー用とか。
もしくは今風の人だったら、部屋の中でメインスピーカーとして使うシーンも想像できる。
ただ、個人的にはそこそこのモニタースピーカーもあるし、あえてFLIP4をメインスピーカーとして使う理由は全く見当たらなかった。
バスルームで使うにしても低音がさらにモコモコっとしてしまうのが使いどころの難しさを感じる部分である。
FLIP4のサイズや重量に関して
ほぼ500mlのペットボトル満タンの時と同じ。
スーツケースを使わない旅行用としてぎりぎり持っていくこともできるけど、もっと小ぶりなタイプのポータブルスピーカーもあるので、個人的には微妙かなと思う。
防音設備がない安いビジネスホテルなどだと、低音ズンズンはマズいので、旅行用には難しいと思う。
JBL公式のスマホアプリではイコライザは使用できない(?)
これは自分調べだけど、iOS用のJBL公式のアプリを使ってみたものの、ファームウェアのバージョンアップなんかはできたものの、イコライザには対応していないようだった。
スマホ用の音楽再生アプリでイコライザが無料で使えるものは少ない(自分調べ)ので、低音ズンズンを何とかしたい場合に結構困ったりする。
FLIP4の総評、オススメ度は?
JBLがアメリカのメーカーなので、アメリカンピーポーの日常シーンに合わせた音質などの設計なのは容易に想像できる。まぁ、極東の島国に住む1億人程度の人間のために開発されたものではない。
低音好きでダンス系などの曲をアウトドアなどでガンガン手軽に楽しみたい場合には良いのではないかと思う。
筆者みたいに中古で探すと意外な低価格で買えることもあると思うので、新型のFLIP6とかを買うのは予算的に厳しい・・・という人は探してみるとよいと思う。