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【DIY】部屋の壁を総額2万円以内で防音仕様にした奮闘記~すべては静寂のために~ 前篇

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アマゾンで買った大量の吸音材の束

この奮闘記を集合住宅(主に安アパート)に住む、隣人の騒音で寝られない全ての小鳥たちへと捧げよう。

一部に生々しい記述などもあるが、現場の熱量を伝えるためであることをお断りしたい。

筆者は内装工事などの仕事経験は一切なく、DIYスキルは20年以上前に受けた義務教育の木工授業程度しかない。

プロやDIY上級者からしたら鼻で笑われるようなレベルだと思うが、それは逆に言うと筆者のようなDIY低スキル人間でも、情熱と切羽詰まった状況の2つがセットされれば、金をあまりかけずに防音工事ができることの証明にもなるであろう。

全体的にグダグダな内容ではあるが、ほとんどの騒音で眠れない小鳥に役立つ内容であると自負している。

前篇、後篇の2部構成でお届けするが、前篇はDIY工事をするに至った経緯や精神論が中心。

後篇は実際の工事内容や防音ノウハウなどをお届けするので、ゆとりがなく切羽詰まっている小鳥は後篇を読み進めるのもアリだ。

まだ心にゆとりのある優しい小鳥は前篇から読むがよろしい。

ノウハウ系の記述内容は付け焼刃的に防音工事にあたって必要なことを図書館の本やネットなどで勉強した内容。専門的に建築系の大学や教育機関で学んだわけではないことをお断りしておく。

後篇はこちら

大昔から騒音対策が考えられていない日本の住宅事情

日本の住宅というのは高温多湿の気候もあって、伝統的に古くから風通しの良さが特徴的だったという。紙や木材が作られていて、隙間がそこらじゅうにあるのが基本。

気密性や防音性というのは重視されていないのである。

隣近所は顔見知りばかりの島国という地理的条件もあったことだろう。

どこぞの大陸国家に比べれば、一般人が住む住宅に外敵に備える機能や気密性は必要なかったわけだ。

戦前は木造、戦後は鉄骨造が主流となった日本の住宅事情

日本の住宅が現在のような鉄骨、鉄筋コンクリート造が主流になったのは戦後からである。

戦前は木造住宅一色だったか、戦争で国中の木材を使い果たして木材が枯渇したのと、終戦で武器を作ったりしていた製鉄所が暇になったために、商売相手を変えて住宅建設用の鉄骨や鉄筋を大量に生産するようになったらしい。

騒音問題に悩む人は相当多いに違いない疑惑

ここまで日本の平均的な住宅事情をざっくり知って貰ったが、そもそも問題として日本の住宅というのは伝統的に気密性や防音性がないがしろにされてきたということは重要なことだ。

そんな背景があるからこそ、騒音に悩む人間が多いという仮説が立てられるからである。

筆者にしてもそうだ。

実家時代は一軒家だったものの、与えられた子供部屋は布で作られたパーテーションで仕切られているだけ。防音や気密性とは無縁のものだった。

初めて一人暮らしを始めた某地方都市の家賃4万円台の4階建てアパート(エレベーターはない)は普通に壁が薄くて、隣室のアカの他人の話し声が聞こえてくるのが日常であった。

その後に別の寒い地域にある某地方都市に引っ越しをしたが、その時に住んでいたのは昭和時代に建てられた鉄骨鉄筋コンクリート造のマンション。

鉄筋コンクリートなのと、部屋の配置が隣室と隣り合わないような独特のレイアウトもあって、隣室からの騒音は皆無であった。

但し、ワンルームのため、共用廊下と部屋はドア1枚で隔てられているだけのため、共用部分からの騒音はかなりのものであった。

その後は某全国展開の賃貸アパートに引っ越したが、スチールハウスという名の軽量鉄骨造の一種で新築だったものの、壁の薄さは初めて住んだ部屋に近いものであった。

安アパートの主流は軽量鉄骨造

家賃の安さ重視で契約するアパートの主流は軽量鉄骨造である。

防音性で言えば、木造 < 軽量鉄骨 < 重量鉄骨 < 鉄筋コンクリート造(RC) < 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)の順番に良くなる。 同じ順番で建設費が高くなるので、賃貸の場合でも似たような間取りや立地条件では右に行くほど家賃も高くなる傾向がある。 安アパートの主流である軽量鉄骨造は。防音性能としては木造よりは少し上なものの、ランクとしては下から2番目だ。 防音性を重視するなら、避けれるなら避けた方が良いものの、背に腹は代えられないから止むを得ずに選ばざるを得ない場合もあるだろう。 軽量鉄骨造は骨組みになる部分は軽量の鉄骨を使い、部屋と部屋を仕切る壁は石膏ボードという安価な材料を使うことが多い。 これが世間的に「壁が薄い」と言われる安アパートの構造的な特徴である。 石膏ボードは大きいホームセンターに行けば普通に売っていて、コンクリート級の重さはあるが、畳一畳くらいのサイズで500円くらいで買えるほどに安い。 一般個人が買っても運んだり加工することも処分する時の難易度も高いが、石膏ボードは現代日本の安アパートなどの騒音事情を考える上で知っておいて損はないだろう。 もちろん、石膏ボード自体が悪いわけではないが、全国展開しているような壁が薄いと評判の某賃貸物件もこの形式である。オーナーからしたら、リーズナブルに物件が建てられるというメリットがあるのだろう。

自分の部屋に石膏ボードが使われているか見分ける方法

普通は壁紙が貼られているのでパッと見で石膏ボードかどうかは素人にはわからないが、釘やネジを使うと白い粉がポロポロ落ちてくるのが石膏ボードである。

賃貸物件で釘やネジを使うのが良心に苛まれるかもしれないが、壁に直付けされている家具とかのネジ部分から白い粉が出て来たりしていたら石膏ボードの証拠だ。

そもそも石膏ボードは釘やネジを使うのに向かないので、石膏ボードの壁に家具をネジ止めするのは強度面から適切じゃない。

しかし、某全国展開の賃貸物件では家具が普通にネジ止めされていたりする。石膏ボードにだ。

閑話~1億するタワマンも石膏ボードが使われている

話は一旦横道に右折するが、安アパートとは対極をなす1億円のタワマンにも石膏ボードが使われている。

タワマンのような高層マンションの場合、構造的に軽くする必要があるため、戸境壁(隣室との境目の壁)はコンクリート流し込みではなくて、石膏ボード+グラスウールという形式なのが一般的だそうである。

なんせ1億円するのだから安アパートよりは防音性がマシであるはずだが、意外に思う人も少なくはないだろう。

安アパートだから住んでいる住人のレベルが低いということが言われる場合もあるが、タワマンだって知人友人を呼びまくって夜な夜なセレブなパーティーが行われることも多いという。

タワマンは投資物件として賃貸されている場合も多いから、隣人がコロコロ変わるケースもあり、安アパートと天と地の差があるかというと、実は大差ないのではないかという疑惑を個人的には感じざるを得ない。

こうして考えると、人というのはどこまで行っても悩みが尽きない生き物なのかもしれない。

軽量鉄骨造で静寂を手に入れるのは難しい

ネットで検索すると驚くほど騒音に悩む人が世間には沢山いることがわかるが、半分以上は軽量鉄骨造の物件に住んでいる人ではないかと思う。

一軒家でも隣近所の人が発する奇声や犬の鳴き声などにの騒音に悩む人もいるから、軽量鉄骨造の安アパートが騒音問題の根源とは言えないけど、集合住宅でもSRC造で防音に配慮されているマンションなら静寂を手に入れられている人もいると思う。

まるで騒音の主は宇宙からやってきたエイリアンのよう

春頃だろうか、しばらく前に隣室の人間が出て行ってくれてから半年ほど空き部屋だった。

ちなみに、筆者は“すみっコ暮らし”なので常に角部屋である。

軽量鉄骨造でも隣室が空き室だと、隣人が発する騒音に悩むことはない。いくら石膏ボードだからといっても隣室が空き室だと空気層があるから、さすがに2つ隣の部屋からの騒音は届かないのである。

ところがである。2か月ほど前に旅行から帰ってきたら隣室に入居者が飛来していた。

軽量鉄骨造の安アパートに住む者にとって、隣室の入居者は宇宙から平和な日常を侵略しに来たエイリアンに他ならない。

エイリアンまで行かなくとも、まぁ、厄介者であることは間違いない。

大学生やフリーターが入居しやすい安アパート事情

賃貸物件と言っても色々あるが、大学に近い場所とか、そもそも安めの家賃の場合は学生やフリーターなど、深夜に出入りしたり物音を建てる非常識人間が入居する確率が高い。

金が沢山ある人間の場合は、わざわざ安アパートに住む理由はないのである。

大学に関しては特に意識の低い3流私立大学の付近は危険。

国立とかの1流大学の場合はステレオタイプだけど、周囲に配慮しながら良い子ちゃんとして真面目な生活を送っている人が多いため、騒音の発生源にはなりにくい。ちなみに、専門学校生は一般的に詰め込み教育で勉強が忙しくて遊んでいる暇がないから、問題になるような生活音のジェネレーターとなることは少ない。

フリーターに関しては居酒屋やコンビニ、24時間稼働の工場などに勤めている場合があり、深夜に出入りする場合が多いから、生活音の騒音の発生源になりやすい。掛け持ちでアルバイトをしている人などは、不規則な生活をしているから、夜中に物音を立てたりする確率が高いのである。

9時5時の公務員のような職場に勤めている人は深夜は間違いなく寝ているので、深夜に生活音など発するわけないのだ。土日も死んだように寝ているか遊びに出かけているし。

喘息持ちか知らないが軽量鉄骨住まいに特別枠などない

今回、DIYで防音壁を製作するに至ったのは、隣人が毎日のように深夜帯に出入りする上に、喘息持ちか何か知らないが、デカい咳を深夜~早朝に何十回も連続で発するからである。

咳は生理現象だから騒音じゃないという意見も1億分の1くらいあるのは承知しているが、静まり返った深夜に薄っぺらい石膏ボードだけで仕切られた安アパートでゴホン! ゴホン! とやられるのは溜まったものではないのである。

生理現象で片付けようとする人は、一度でいいから深夜に隣室で何十回もデカい咳をされる安アパートに住んでみろと言いたい。

実際、そいつが住んでいる両サイドに入居者がいるが、筆者じゃない方の人間も管理会社に先に苦情を出していたようだったので、筆者が特別に神経質だとか、器が小さいというわけではないだろう。

なぜ別の人間も苦情を出していたと知ったかというと、筆者が限界を感じて管理会社に苦情を出したら初めてだったのにも関わらず、「改善がないようですね、こちらで注意します」というような返答だったからである。

咳の騒音は周波数的に想像以上に大きく感じる

騒音と言っても低い音もあれば高い音もある。

キンキンカンカンという高い音もあれば、低いブーンとかゴロゴロというのも騒音だ。

色々な周波数の音があるが、人間の耳は人間であるだけに、人の声の周波数帯に特に敏感である。

咳はどうかというと口から発する音声だけあって、咳の騒音はとってもとっても大きく、不快に感じるのである。

低い音から高い音まで含まれていて、咳の騒音は瞬間的に大声で叫んでいるようなものだ。

それが深夜に何十回も発せられるとしたら、誰でも苦情を出したくなる。

病院に行っているのか知らんが、そんなに日中も深夜も咳をしたら、職場などでも煙たがられるだろうに。

普通に咳で死ぬんじゃないかと思うくらい咳をするし、咳が止まったとしても隣が事故物件になったら、それはそれで困るし。

手作りで防音仕様の部屋にすることにした

長く住んでいる物件なので、窓などは手作りで防音仕様に改造済みである。駅に近いが線路沿いの上に踏切まであって日中は日中で煩いからだ。

隣室と仕切る壁が薄いのも重々承知だけど、これまでは深夜に何十回もデカい咳をされるようなクソ野郎が隣に入居することはなかったので、壁は防音仕様にしていなかったのである。

実際の工事プランや実績、ノウハウなどは後篇にまとめたいと思う。

後篇はこちら

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