
どう見てもスーパーには見えないが・・・
新潟の離島、佐渡島には知る人ぞ知る、看板はないけれど地元の人はもちろん、その手の旅人にはよく知られているスーパーがある。
本土側との玄関口、両津港フェリーターミナルにほど近い場所にある「ショッピングプラザ キング両津店」だ。
目次
驚いたこと1 やはり看板はない

入り口近くまで来ると店名や営業時間の表示が確認できる
この地で古くから営業しているスーパーで、元は旅館の建物だったそうである。
確かに、佐渡には廃業した旅館やホテルの建物は多い。
イオンやイトーヨーカドーなどの大手スーパーなどは1Km以上離れた場所からも確認できるくらい大きな看板を掲げていることが多いし、一般的な街のスーパーは宣伝目的で目立つ看板を掲げている。
キングの周囲は商店街になっているが、周囲の店は普通に看板を掲げていることから、条例や町内会の掟などで看板が出せないというわけでもなさそう。
しかし、看板を出していないのはダークな品物を売っているからなどの理由では決してなくて、よい品物やサービスを提供していれば看板は特に必要ないという経営者の思いもあるという。
筆者の田舎にも、傍目には一軒家にしか見えない食堂などは沢山あるが、看板やノボリで飲食店であることを周知していることが多いから、本当に看板がないのは信念のようなものを感じてしまう。
本当に住民に必要なサービスを提供していれば、看板は必要なものではないということであろう。
最近はパッと見だけの過激な映像で世間を騒がせているYouTuberなどが大きな問題になっているが、中身が重要だというのを見習わなくてはならない。よいものを提供していれば過激な宣伝など不要なのだ。
驚いたこと2 価格が本土より安い
訪れたのは全国的に深刻な物価高が進行している2023年のこと。
離島というのは本土より輸送費がかかったり、ライバル店が少ないことも手伝って、食品などの物価が高いのが一般的だ。
しかし、キングで驚いたのは本土側である新潟市や首都圏などのスーパーと比べても価格が安いということ。
地元産の農産物や海産物が安いというのはまだわかるが、本土で製造されているパンや加工食品、本土の農産物なども安かったのである。
値引きコーナーなどもあって、その手の旅行者にも隠れた人気がある店だというのもうなづける。
驚いたこと3 品揃えが豊富
外観のとおり、店内はそれほど広いわけではないが、店内は1Fの生鮮フロア以外にも雑貨や飴などが売られている2Fスペースもある。
沖縄の“なんでも商店”である共同売店に近い雰囲気があり、それほど広くはない店舗スペースにも関わらず、島での生活に必要な物品が幅広く陳列されているのには驚いた。
一旅行者として訪れているので店内の写真は割愛するが、各所に休憩用の椅子が設置されていたりホスピタリティが高い。
ことごとく休憩スペースが撤去されてしまい、買い物中に休むこともままならない近所のイオン某店も見習ってほしいものである。
キングに訪れれば、店はただ広ければいいというものではないというのが実感できる。
驚いたこと4 キャッシュレス支払いにも対応
離島の商店というと、なんとなく現金しか支払い方法がなさそうなイメージが付きまとうが、当たり前のように今どきのキャッシュレス決済に対応している。
キャッシュレス派の筆者は、普段でも小銭がかさばるのは嫌だけど、旅行中だと余計に嫌なものである。
緊急時用に持っているお札を崩して小銭が大量発生することもなく、カードでスムーズに支払いできたのは大きな利点だった。
アクセスなど
両津港の近隣にある。
佐渡には両津以外にも複数の店舗があるので、時間とその手の趣味がある人はキング巡りも楽しいかもしれない。