グルメ

海南鶏飯(シンガポール風チキンライス、カオマンガイ)を炊飯器で作ってはいけない理由

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チキンライスは東南アジアの典型的な屋台などでのお手軽メニュー

日本に外国の料理が浸透する時に日本風に大幅アレンジされてしまって原型を留めていないものは多々ある。

例えば、カップ麺などでもよく目にする担々麺。日本ではラーメンのような扱いだけど発祥の中国では汁がない。国家が作り方や味を認証しているので、日本の担々麺は中国では認められるものではない。

餃子は日本では焼き餃子が一般的なものの、これも残念ながら本場の中国では国家資格の餃子職人が作る水餃子が基本で、焼き餃子などというメニューはそもそも存在しないのだ。

そして、拙者が今回取り上げるシンガポールやタイ、マレーシアなどでよく食べられている海南鶏飯(シンガポール風チキンライス、カオマンガイ)も、似て非なるものとして日本に浸透してしまいそうな危惧がある。

今回はかつて東南アジア各国に滞在して海南鶏飯を現地で食べまくってきた筆者が警笛を鳴らしてみようという記事である。

驚愕!! 日本のレシピでは炊飯器で作ることになっている

「海南鶏飯 レシピ」などと検索して出てくるレシピは、恐ろしいことに上位20くらいのサイト全部と言っていいくらいに「炊飯器で超簡単」という調子で炊飯器調理なのである。

む~、これは東南アジアの場末の屋台でチキンライスを常食にしていた拙者からすると有り得ん・・。

某レシピサイトに投稿されているようなものをはじめ、調味料を売る某食品会社のレシピサイト、カルディとかの輸入食品店や無印良品みたいな一見すると外国文化を尊重してそうな店で売られている「海南鶏飯の素」みたいなやつも、もれなく炊飯器に鶏モモ肉をぶっこんで炊くという恐ろしいレシピなのである。

担々麺をピリ辛ラーメンに勝手にアレンジしてしまう日本だけあって、やっぱりアレンジがひ、ひ、酷い・・・。

特にカルディのは相当マズい(製造は日本食研)ので、日本人が作った勘違いアジア料理になってしまわないように気を付けよう。

試しに海南鶏飯炊飯器で作ってみたけどマズかった

拙者は15年前から自宅で海南鶏飯を作っていたが、炊飯器にチキンを丸ごとぶっこんで炊く発想はなかった。

なぜ炊飯器にぶっこんで炊いてはいけないかというと次のような理由がある。

ご飯が脂っこくなって不味くなる

現地で食べたらわかるけど、海南鶏飯の米はそもそもパサパサしたインディカ米というのもあるけど、かなりパサパサしているのが一般的。

ところが、チキンをぶっこんで炊くとチキンの出汁はとれるだろうけど、大量に肉臭さを含んだ油が米に溶け込んでしまう。

皿に盛りつけた時点で絶句したが、皿が油でべっとべとになってしまう。

炊飯に失敗する場合がある

炊飯器の種類や水加減などにもよるけれど、炊飯器は基本的に鶏モモ肉の塊を入れて調理することを想定していない。

そのため、ご飯に芯が残ってしまうことがある。

しかも、鶏肉が出てきた油のために芯が残ってるくせに、表面はべちゃっとしていたり、最悪な炊きあがりになる場合がある。

余った米がどうしようもなくなる

いまいちな仕上がりだった場合はもちろんだけど、食が進まず米が食べきれなくて余った場合、チキン味の脂っこいどうしよう米なので食べきるのが難しくなる。

炊飯器に匂いは付くわ、米は食べきるのが大変だわで難儀する。

チキンスープが作れない

現地で海南鶏飯を頼むとスープが付いてくる場合がある。

このスープは一般的にチキンを煮た時の出汁を使っているが、炊飯器で炊くとスープが作れないのである。

15年前くらいに日本で紹介されていたレシピではチキンは別調理して出し汁でスープを作るパターンが多かったと記憶しているが、なぜ炊飯器で炊く方式が一般化したのか不思議で仕方がない。

炊飯器でケーキとかパンを作ったりとかするのが流行った(?)からなのかなとも思うけど、それと一緒にしちゃ困ると思う。

東南アジア現地の正しいレシピはこちら

日本で紹介されているのとは違って、タイのWebサイトだと下記のようなレシピとなっている。

なお、参考にしたのは下記のサイト。

上記レシピを参考にしつつ、拙者なりに簡単にアレンジして紹介してみよう。

1、鶏ガラスープで鶏肉を茹でる

塩、コショウなどで味を調えた鶏ガラスープで鶏のモモ肉を弱火で茹でる。

茹で上がったら、鶏肉は氷水で冷ます。

ゆで汁はスープとして食卓に並べる。

2、チキンライスを作る

ニンニク、生姜をみじん切りにして炒め、生米を加えて炒める。

炊飯器を使って鶏ガラスープで炊いた米でもいいけど、どうしてもインディカ米じゃないと海南鶏飯の味は再現できない。

日本米しか用意できないなら、残念な味になる可能性が高いので、そもそも自宅で海南鶏飯を作るのやめた方がよいのではと思う。

蛇足 せっかくインターネットなのだから海外サイトも検索しよう

ソローも『森の生活』で指摘していたが、日本語というのは世界の一地方の方言でしかないので、せっかくインターネットで世界中のWebサイトが閲覧できるのだから、日本語のサイトだけで検索するのは勿体なさ過ぎると思う。

現地のサイトでも様々なレシピがあるけれど、さすがに炊飯器で鶏肉ごと炊くというのは日本のサイトでしか見かけなかった。

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