Legend 北海道・冬編

Part.1 Excellent Hokkaido Native2

プロローグ 新たなる旅立ち、冬の北海道へ

前回、本編の一旦の終止符を自ら打ったわけだが、色々と思う所があって冬の北海道へと旅立つことにした。

このサイトはGoogle等の検索エンジンから何らかのキーワードでお越しになる方が多いので、どうしてもノウハウページの方が人気があるわけだが、あくまで旅行記がメインだから、旅行記を少しでも充実させたいという気持ちも1mg程度あるし、前回の旅行記が外部的要因等であまりにも不完全燃焼だったので、続きを書くこととした。

ただし、今回は自転車旅行記と言いながらも、冬の北海道だから実際は鉄道メインで旅行している。だが、気持ちは自転車旅行者だ。そのあたりは事情を察して頂きたい。

さて、今回の旅行期間は、7日間だ。以下が今回の旅のダイジェストであり、子テーマ。

・LCCのバニラエア、ピーチの比較レポート
・夏しか北海道に行ったことがない人のために、真冬の北海道のレポート
・新千歳空港の雪ミクスカイタウン
・札幌ラーメン「空」
・魅惑の千歳市、サケのふるさと(千歳水族館)

などなど、数え切れない魅力的な記事を予定しているので、期待して欲しい。

Part.1 Excellent Hokkaido Native2

1日目 その1 埼玉県民でもナリタニスト

私は成田空港の第3ターミナルが出来る以前の成田空港が好きだった。北海道や沖縄に安く行けるようになったのは、完全にLCCのおかげ。スカイマークが潰れそうになってミニスカ路線に走ったのもLCC絡み。北海道新幹線が出来ても、安いLCCの方が支持されそうなのは間違いない。

第3ターミナルが出来たのと時を同じくして、ナリタニストという言葉が出来た。成田空港は首都の国際空港の座をアッサリと羽田に譲り、チーバ県および北関東のローカル空港として再出発したのだ。

成田→魅惑の千歳へ☆

出発の日、午前9時30分発のバニラエアJW905便に搭乗するため、成田空港に向かう。

今回はわりと目的がしっかりした旅のため、荷造りとかも完璧なので、最寄り駅から始発電車で向かう。まぁ、アラスカよりも寒いらしい真冬の北海道に行くのだから、当然、厚着ではあるが、しかし、この日の埼玉県、いや関東地方はとても寒かった。

あとで調べると最低気温は0度。早朝はもっと寒かったように思うが、乗換駅である東松戸駅では待ち時間が寒くて凍えそうだった。これからアラスカよりも寒い所に行くのに、関東の段階で凍えているようでどうするのだろう。靴も普通に夏用のスニーカーだし、準備不足だったかもしれない。とても先が不安だ。

エアアジアやジェットスターと行った国内LCCの老舗が運行を始めた3年くらい前から、東松戸駅という、JRと北総線の乗り換えのためだけに存在するように思う駅を利用するになった。

3年位前は東京都心から程近いのに本当に駅付近に何もなかったが、さすがにコンビニとかファーストフードとか、マンションとかビルとかが・・・微増してたように思う。それでも私はあんな殺風景な、人を運ぶためだけの駅みたいなところには住みたくないけど。

成田空港への道のりは自転車でも何往復かしたけども、ほぼ自転車も鉄道と同じルートなため、鉄道ですっ飛ばしていくのは多少自己嫌悪はある。北総線は都営地下鉄への直通とか、色々と物々しいので、都心方面に向かうサラリーマンらは当然多いのだが、意外に成田空港方面に向かう人も多かった。それも旅行者というよりは、通勤的な格好なので、空港で働いている人たちだと思った。

成田空港到着

電車なので難なく成田空港に到着。

朝の通勤時間帯に電車で成田空港に来たのは初めてだが、なんと通勤時間帯は身分証明書の提示をすることなく入れるらしい。朝は空港の職員とかを含め、利用者が多いから省略しているのだろうか。それとも、面倒だからもう辞めたのだろうか。

バニラエアは第3ターミナルなのだが、貧乏第3ターミナルには電車が乗り入れないので、最寄の第2ターミナルから歩く。その距離はなんとチェックインカウンターまで徒歩20~25分。これはバニラエア公式サイトでの説明だが、実際、普通に歩くとそのくらいかかる。チェックインカウンターは30分前に締め切りになるので、列車みたいに駆け込み乗車はできない。

LCCの場合は自分の都合(電車の遅延を含む)で乗り遅れた場合は、料金も返ってこないし、次の便に振り替えたりとかもなくて一切救済されないから、空港にはなるだけ早くたどり着くのが安全だ。

今、北海道ではもうすぐ北海道新幹線が函館まで開通するということで盛り上がっている(多分)のだが、LCCと所要時間を比較してみよう。

■北海道新幹線(全線開業時)
東京駅~札幌駅(3時間59分=239分を目指しているらしい)

■LCC
東京駅~成田空港(60分くらい)+第3ターミナルへの移動(25分)+カウンター締め切り(30分)+飛行時間+a(100分)+新千歳空港~札幌駅(ホームまでの徒歩移動60分くらい)=275分以上

羽田の場合はもうちょっとマシだが、成田のLCCだったら北海道新幹線の余裕勝ちか。

成田空港第3ターミナル

前回の自転車旅行の帰りに1度利用したが、あの時は写真を撮る気力が残っていなかったので、改めて紹介する。

これは第2ターミナルから第3ターミナルへ移動する経路。時間ぎりぎりの人はキャリーケースやカートありで猛ダッシュする。だから、デザインが陸上競技のレーンみたいなか・・・。千葉県の人のセンスはよくわからないが、距離が長いので途中に休憩所や自販機が設けられている。風除け程度の半端な壁のようなものと、天井のようなものは一応あるが、実用性も微妙だし、高級感は微塵も感じさせない。

所々、ナリタニスト(成田空港を利用する人のこと)がどうのこうのというポスターが掲げられている。札幌の地下鉄東豊線にも似たような標語みたいなのがあった気がするが、それを参考のしたのだろうか。

最近、地方の空港は宮崎ブーゲンビリア空港みたいにセンスが微妙な所が増えてきているが、成田空港もその方向に向かいつつある。

成田空港は羽田空港が国際化したせいで、元々の『東京の国際空港』というアイデンティティを無くし、千葉県や北関東の地方空港として再出発しようとしているのだろう。

外観。安っぽい建材で作ると安っぽくなるという見本のような。世界には建築デザイン的な価値のある空港も沢山あるので、地方空港だからと言って、安っぽいだけの国際空港はどうかと思うけど。

チェックインカウンターなどのフロア。

イオンとかのフードコートみたいな、街中のスーパーとかでよく見る感じのフードコートがあった。土産物屋などが入居。

バニラエア搭乗

バニラエアはジェットスターと同じ要領で、WEBチェックインして航空券を印刷しておけば、預ける荷物がない場合はそのまま保安検査、搭乗となる。ジェットスターと違って、WEBチェックイン時に無料では座席の選択はできず、自動的に割り振られる。それでも窓際とかが優先されるようなプログラムなのか、窓際が割り当てられた。

バニラエアは2012年8月からエアアジアとして就航していた会社だが、1年2ヶ月後に一旦運行停止。元々は全日空とマレーシアのエアアジア社が共同出資していたが、エアアジアと決裂して全日空単独で運営しているのが、今現存しているバニラエアである。

ちなみに、その後エアアジアはエアアジアで、日本国内路線に中部国際空港を拠点に再参入するそうだし、成田~海外への路線も存在するからややこしい。

全日空とエアアジアが決裂した原因がそれぞれの国の文化の違いだとしているが、バニラエアに機内やスタッフはエアアジア時代の面影は全くない。むしろ正反対。

エアアジアは制服は真っ赤でミニスカートとキツめのメイクと派手派手だった。しかし、バニラエアは北朝鮮の航空会社かと思うくらいで、エアアジアと比べると、本当に地味でメイクとか制服とかも田舎の中学校くらいの感じだ。

ただ、機内誌だけは異様な雰囲気を放っている。イメージキャラクターなのか、スポンジだと言うが、アメリカの漫画キャラみたいな、チーズケーキ風の怪物みたいなキャラが異彩を放っている・・・。日本らしさや、全日空が言うリゾートっぽさはどこにも感じない。

元スカイマークの常連としては、現状スカイマークが現存してるのかどうかもわからないくらいボロボロっぽいのは残念なことだが、全盛期の頃のスカイマークの機内誌はかなりしっかりした作りだったのだ。就航路線のレポートとか旅のエッセイ、スタッフのインタビューなど、スカイマークの機内誌の方が、バニラエアの何倍もリゾートっぽさがあった。

今思えば、スカイマークをミニスカ路線に走らせるくらいにまでボロボロにした張本人が、エアアジア(バニラエア)とかジェットスターなのだから、皮肉なものである。

機内で飴とかお菓子を配ってた頃の全盛期のスカイマークは『海外に路線を広げたい』などと機内誌とかで言っていたので、現存してるのかどうかもわからない今となっては、本当に、運命というのは外部的要因でいくらでもめちゃくちゃになってしまう・・・というのを思い知らされている気がする。

Part.1 Excellent Hokkaido Native2

1日目 その2 千歳だって、ちゃんとした街なんだぞ

かつて国鉄時代の北海道の入り口は函館だった。今となっては信じられないが、北海道内の特急や急行列車は函館起点だったらしい。新千歳空港が開港するまでは・・・。

千歳到着

バニラエアで唯一、日本の航空会社らしさを感じたのは着陸だった。

たまたまそういう気象条件だったのかもしれないが、ジェットスターは、いつもぎりぎりのラインを追求する傾向があるが、バニラエアの着陸は、まるで滑るようなスムーズ着陸。これは文句のつけようがない。豆腐の配達にも使えそうなくらいの着陸テクニックだった。

ちょうど昼時だったので、新千歳空港内のラーメンミュージアムのような所で食事をする。2~3日前から『うまいラーメンが食べたい』と思っていて、家の近所の山岡屋に行こうか迷っていた。しかし、北海道で食べればいいやと、この時までずっと我慢していたのである。

店を見て回るが、最近、にわかにブームな海老味噌系の人気店は空港だっていうのに、なんと20人くらいの行列ができている。

それ以外の店はそうでなくて、店によっては空席ばかり。ラーメンミュージアムは過酷な所だ。外から人気あるなしが丸見えで、スパルタ。比較されまくる。

私は田舎育ちなので飯を食うために並ぶのは嫌だし、「北海道のラーメン屋なら、どこでもうまいっしょ!」の精神なので、比較的空いていた札幌ラーメンの空という店に行ってみた。

ある部分の人の感じ方というのはシンプルだ。お腹が空いている時に画像だけを見れば、きっと美味しそうに見えるはず。

だが個人の感想としては、非常にいまいちな最低ラーメンだった。まず、麺は細くてダメダメだし、そのへんのスーパーに売ってる生ラーメン以下だと思った。自分で作る菊水とかの生ラーメンの方が絶対うまい。

スープもスープで、具はそこそこだが、850円くらいと良い値段がしたし、コストパフォーマンス的な評価は5段階で1。カップ麺のニュータッチの札幌ラーメン(168円~)の方がコスパが上。

うまいラーメンは人のテンションを上げるが、まずいラーメンは人のテンションを下げる。

雪ミクスカイタウン

新千歳空港には、全国でも珍しい、雪ミクスカイタウンという施設がある。

初音ミクの雪祭り由来の冬バージョンなのが雪ミクだ。一応、北海道の公式キャラクター。初音ミクは札幌市職員の名刺に印刷されているくらい北海道で重要なキャラなのだが、民間企業が諸権利を持っているので、いまひとつ北海道アピール力が弱い。

初音ミクはニューヨークや上海など、世界の主要な大都市で単独ライブを行ったり、邦楽アーティストとして世界一配信国が多いくらいのビッグアーティスト。他にこんな大成功している道産子はまずいないので、これからは北海道キャラというのを前面に押し出して欲しい所だ。

winter7

雪ミクスカイタウンはグッズを売っていたり、歴代フィギュアが展示されたりしているのだが、一番の見ものは、やはり等身大の雪ミク。

ただ、可愛らしいイラストとかデフォルメフィギュアのイメージで等身大フィギュアを見ると・・・これじゃない感じがする。

塗料か照明の都合かで肌の色が緑っぽくてこれじゃない感じだし、単にアニメ風のデザインのまま等身大になると、不気味に感じしてしまうだけなのかもしれないけど、特に目がこれじゃない感じ。(※一部、画像加工をしてあります)

ここには、北海道ぐるっとシアターだかという10分くらいで650円もするパノラマ映像の閲覧施設がある。よくネットで無料で見れる初音ミクPVのあれが上映されているのだが、実はそれを一度見たことがある。

だが、とても650円払って見るようなものには思えなかった。せいぜい100円くらいの価値だと思った。初音ミクが好きで北海道にお金を寄付したい人なら、飛行機までの時間つぶしには良いと思う。

アウトレットモールRereへ

新千歳空港近くにはアウトレットモールがある。

出来た当初は成り物入りで登場した気がするが、10年くらい前に一度行ったきりで、現存してるか不安だったが、現存してるそうなので行ってみる。あまり宣伝していないが、空港から無料送迎バスが30分置きくらいに出ている。沖縄・那覇空港と某アウトレットモールみたいなだ。

レラ行きのバスは中国・台湾系の外人ばかりだった。ついオリオンビールのあれを思い出してしまった。確かに、新千歳空港を使う道外の日本人が沢山レラに行っているのは想像できないから、仕方ないのかな・・・。

レラに到着すると、やはり中国・台湾系の外人ばかりだった。あと、北海道だというのに、朝方の関東より気温が高いと思った。12月なのに雪もうっすらとある程度だし、真面目な話で自転車でも行けるんじゃないと思った。今年はこの時期としては非常に雪が少ないらしい。

休日とかは違うのかもしれないが、本当、この日のレラは垢抜けていなくて、飲食店とかも全く魅力を感じるものがなかった。近隣のアルカディアなんとかというオフィスビルに、500円のランチがあるというのが唯一気になったけど、利用しなかった。

ホテルグランテラス千歳

レラから宿泊先のホテルへ向かった。1日目は千歳市内のホテルに宿泊することになっている。

新千歳空港を利用して北海道を観光する人の99%は千歳市内に立ち寄らないし、私も千歳市内に宿泊するのは初めてだ。定価1万5千円のシティホテルが朝食バイキング付で5000円と破格だったので、千歳に泊まることにしたのである。北海道は夏場と冬場ではホテルの料金が2~3倍くらい違いがある。

千歳の街中には観光客がいないので、飛行機のエンジン音がする以外は、そのへんの街を歩いているのとあまり変わらない。

空港の近くだから、成田空港の近くみたいに旅行者用に車を長期間預かる駐車場や、レンタカー屋などは多い。ガソリンスタンドの前を歩いていたら、それだけで店の女の子に「こんにちは」と挨拶された。埼玉のガソリンスタンドの前をただ歩いていて、挨拶されたことはない。

前回の自転車旅行の時に前を通りかかって、朝食バイキングだけでも利用したかったが、1700円と高かったから、その時は諦めたのであった。