小耳に挟んだ話だと、沖縄県は全国でラジオ聴取習慣率がNo.1のラジオ王国県だという。
ある調査(おそらく博報堂)では沖縄県民の約11%がラジオを聞いているそうで、このご時世の肌感覚としては驚異的なラジオ王国だ。
確かに、街中や大きい商業施設にラジオの公開生放送的なスタジオブースがあるのをよく目にする。
ラジオを流しながら散歩するオジサン
2021年のデジタル社会wの中でも、沖縄を歩けばラジオを流しながら散歩しているオジサンとすれ違うことは多い。
全国的にはインターネットやスマホが普及。テレビやラジオよりも、YouTubeやSNSなどの双方向メディアが人気の世の中。そんな世の中でも沖縄県においては、ラジオが未だに人気だという。
車社会なのと職場でもラジオがかかっている
このご時世にラジオと言えばカーラジオが主戦場という気がするが、ゆいレール以外の電車交通がなく、通勤手段が自家用車という人が多いのが関係しているらしい。
ビーチや公園でもその土地のコミュニティFMが流れていることもあるし、工場や農場のようなところを横切った時にラジオの喋り声が聞こえてきたこともある。
台風など自然災害が多いのも要因?
さらっとコミュニティFMという用語を出したが、これは阪神大震災をきっかけに全国で増加した地域密着型のラジオ局だ(たぶん)。
市町村単位などでローカルに徹して、その街の情報を届けていたりする。平時は通常の番組だが、災害時は地域に密着した災害情報を流す。
人が住んでいる島だけでも40くらいあり、海上面積で言えば北海道と同じくらいの広さがある沖縄。
インターネットと違って、災害時でも携帯ラジオ一つで情報を入手できるだけに、ラジオは地域事情と密着しているという背景もあるのかもしれない。
パーソナリティの放送料は自腹らしい
人口145万人の沖縄県にして、ラジオ局は19局もあるという。沖縄県のラジオ愛好家率の高さは、元々の地元愛の強さも関わっている気がする。
近年はネットの普及などで音楽を流すのがメインの番組は減っていて、沖縄では喋りがメインの番組が求められているともいう。つまり、それだけ沢山のラジオ局があるということは、沢山の喋り手が必要ということ。
ラジオで喋っている人のことをパーソナリティと呼ぶが、名前の知れた芸能人やタレントなどを別にすれば、一般のパーソナリティは、なんと自腹で料金を払ってラジオで喋っているらしい。ラジオ局から出演料を貰っているのではなくて、むしろラジオ局にお金を払って出演しているらしい。
スポンサーを探してくる人もいるが、ラジオのパーソナリティというのは、自分のラジオ番組を経営する感覚なのだろう。
沖縄は一般人と有名人の差が小さい(?)気がする
全くの個人的な感想だが、人口145万人の県にしては、沖縄は(ローカルの)有名人や芸能人の比率が高い気がする。
テレビやラジオもそうだが、街中のローカル広告なんかも、全く知らない(ローカルの)有名人や芸能人が多い。
そう言えば、沖縄の某知事氏も元々はラジオのパーソナリティをしていて人気だったと聞いた。ラジオを起点に地元で人気を集めるというのを考えると、パーソナリティがお金を払ってラジオ番組をやるというのも理解できる気がする。
ちなみに、沖縄で成功している人は、生まれも育ちも沖縄という人もいるだろうけど、起業家的な人は東京で20代〜30代の時に社会人経験を積んで、40歳くらいで沖縄にUターンして・・・というタイプの人の割合が高い気がする。