自転車

Fourth Stage 沖縄本島編

プロローグ かんじんなことは、目に見えないんだよ

前回の旅(北海道内陸一周編)を終えて、早7か月が過ぎていた。関東地方はすっかり冬となった。北海道のように何か月も雪に覆われることはないものの、東京近郊のサイクリングロードからはサイクリストがめっきりと減った。自転車乗りにとって、基本的に冬はシーズンオフなのだ。

関東地方の平野部の場合、たまに雪が降ったとしても何日も積もるということがまずない。寒さ対策さえすれば、年間通して自転車に乗ることができる。但し、群馬など山間部は雪が積もっていたりするので、峠越えをすることは不可能。もちろん、輪行などをしたとしても日本海側や東北、北海道方面への自転車旅行は望めない。

今回は沖縄本島が舞台だ。常夏ではないものの、亜熱帯地域である沖縄は冬のサイクリングにピッタリだ。夏のサイクリング聖地といえば北海道。だが、冬のサイクリング聖地は沖縄だと思う。なぜなら、初夏(6~7月頃)の北海道と、冬の沖縄は大体同じ気温だからだ。

日中の気温が20度前後と快適なサイクリングが望める。おまけに観光客が少なくて道路事情も良いし、宿泊施設も安い。

沖縄までは前回同様、成田から飛行機輪行をする。東京からフェリーもあるにはあるが、費用や時間を考えたら飛行機ということで、迷わず飛行機輪行とした。成田から沖縄までは行きは約3時間半。帰りは追い風だから2時間半くらいの飛行時間。

※地図はイメージです

※当サイトには沖縄をテーマにした旅行記がもう1つあります。北部のジャングルやキャンプツーリングなど、よりディープな沖縄旅行記を先に読みたいせっかちな方は下記をどうぞ。

Sixth Stage 沖縄やんばる Special Touring Style

Third Stage 北海道内陸一周編

9日目 夏へと変わりゆく季節

この行先のない北海道内陸一周旅行も旭川でクライマックスとする。

2年ぶりに訪れた富良野のラベンダー畑。まさか自転車で来る日が来るとは思っていなかった。

富良野から先、途中で激しい雷雨に見舞われる。運よく橋の下で大雨を30分凌ぐ。

旭川に到着。人類は滅んでいなかった。

END

Third Stage 北海道内陸一周編

8日目 吾輩は人間である

帯広まで来たはいいが、ここから先のルートを考えていなかった。帯広に来てわかったことだが、意外にも人類はまだ滅んでいなかった。人類がまだ健在なら、札幌方面に戻って生き残った人たちと合流したいと思った。

帯広から札幌に戻るルートはいくつかある。

A、最短ルートとなる日勝峠経由
ここはJR石勝線や道東自動車道が通る場所で、札幌方面には一番近い。だが、地図をちょっと見ただけでもトンネル多いし、きつそうな峠だ。それはそうだ。ここは開拓時代からずっと鉄道などの建設でも避けられてきた場所だ。札幌から釧路や根室などの昔から栄えていた場所に行くための最短ルートであるにも関わらず、土木技術が発達した比較的最近までは鉄道はずっと遠回りをしていたのである。そんなわけで、とんでもない難所なのだ。もっと楽なルートはないか?

B、狩勝峠を抜けて富良野方面に出る
こっちのほうが遠回りだが楽そうだ。JR石勝線ができるまでは、札幌から釧路や根室へと至るメインルートで、今でも日本最長距離を走る普通列車は、このルートを走っている。富良野のラベンダーも見ごろだろうし、富良野に滞在するのも良いだろう。破格でリゾートホテル風の宿が予約できたので、富良野に行くことにする。

しかし、楽そうだという理由で選んだルートではあったが、目論見は外れ、狩勝峠も相当立派な峠であった。

看板で何合目か教えてくれる。動物のイラスト付き。

4合目。

9合目。

頂上。美幌峠ほどではないが、観光地と化している。

眺め。

車やバイクで峠を登ったことがないが、車やバイクの人でも降りて景色を眺めたり休憩している人が多かった。自転車だとそりゃ休憩するが、車やバイクでも休憩したくなるものなのだろうか。

気温が30度前後あるので、下りも寒くはない。やがて富良野市内に入る。市街地は遠い。

毎日走ってるとそうでもないが、たまーにこういうところを走ると、すごくいいんだろうなぁ、などと思いながら走る。

今日のホテルは、この旅始まって初のリゾートホテル。というか、富良野にはそういうホテルしか見つからなかった。団体客のキャンセルかなんかで、値段はビジネスホテル並み。列車で富良野に来たことはあるが、こんな別荘地帯みたいな場所があったとは。おしゃれっぽいペンションとか別荘みたいな建物が沢山ある地域だ。

予約した某リゾートホテルへ行く。夏だからそのメリットはないが、すぐ裏がスキー場になっている。冬だとホテルを出たらすぐにゲレンデという環境だ。

北海道の義務教育ではスキー授業がワンシーズンに5回くらいはあるが、見事に大人になってからスキーをやったことが1度もない。税金でスキーを9年も習ったが、その成果を社会で生かしたことが1度もない。生かしたことがないものを考え出したら平方根とかもそうだし、全く切りがない。

北海道に生まれて北海道を出るまでは、東京で1年に1回くらい雪が降るのを別にすれば、日本中で雪が降るのは北海道だけだと思っていた。実際にはそんなことはなくて、東京の人は上越新幹線に乗って越後湯沢のスキー場に行く。スキーなんて、ド田舎に住んでいる人が山奥でひっそりやるイベントだと思っていたので、東京の都会人までがスキーなんてやるのは意外だと思ったものである。

洋館のような佇まいのフロントにて。

自分「予約した者です。・・・自転車があるのですが、どうしたらよいでしょう?」
フロントマン「少し、いいやつですか?」
自分「少し、いいやつです」
フロントマン「中にいれましょう」

福島県郡山市の某ビジネスホテルでは、何度交渉しても屋外駐輪しか認めて貰えなかった。それがどうか? 今は向こうから屋内駐輪を提案してくれている。サイクリング王国とされる北海道ならではだと思った。きっと、いい自転車で訪れるサイクリストが多いのだろう。

富良野観光ガイド

ラベンダーが咲く初夏は観光客でいっぱいになるのが富良野。いまや北海道を代表する観光地でありね近隣の美瑛や旭川でセットで観光する人が多いのではないだろうか。道外の観光客が多いように思う。

ファーム富田

富良野にはいくつかラベンダー畑があるが、一番有名なのがここではないだろうか。私はラベンダー畑のビジネスモデルがよくわからなかったが、入場料や見学料などは必要なく、見学者からお金を取るとしたら、小さい土産物屋とかアイスクリーム屋などだけ。各種のラベンダー製品をどこかに売ったりして経営しているのだろう。周辺の花畑なども無料公開のものがほとんど。