Part.3 Last Exit

序章2 新千歳空港~札幌に無事到着

無事に新千歳空港に着いた。

新千歳空港から予約した中島公園付近のホテルまでは、もっとも便利と思われた高速バスで向かう。

痔も酷いものだが、実は同じタイミングで酷い風邪もひいていた。人間の体は、どこか悪くなると連鎖的に病気が起こるのだろう。熱もあるし、痔だし、普通なら部屋で安静にしてないとならんのだが。チケットの返金がないから無理やり来てしまったのだ。専属のドクターがいたら、間違いなく止められていただろう。

列車よりバスならば、この氷点下の街を歩く距離が少ないだろうと踏んだ。

新千歳空港から札幌市内に向かうのは鉄道が一般的。最速37分で札幌駅まで行ける。大抵の観光客やビジネス客は鉄道で向かうのが普通。

バスはどちらかというと地元の人向けだ。

一応、市内のホテルを回るようなコースになっているが、札幌市内でも南西というか、千歳寄りに済んでいる人が利用しているっぽい。

昔は鉄道よりも格安の900円で「鉄道よりも低価格」という方向性だったと思うが、今は鉄道と大差ない値段。売り出し方も変わり、「鉄道は駅での階段上り下りがうざいけど、バスは目的に直通する」というアピールへ。

実際に乗ってみると、勘違い中国人家族が国際線ターミナルで1組乗り込んできた以外は、多分全員が地元の人間っぽかった。

しかし、このバス、一部は高速を通るものの、ものすごく時間がかかる。鉄道だったら札幌駅まで37分だが、中島公園までで1時間半もかかった。成田に帰れるくらいの時間だ。

札幌駅までだとホテルを巡回するから、2時間はかかるのではないだろうか。特に渋滞にはまっている様子でもなかったから、時間的な覚悟が必要だ。

中島公園で下車すると、歩けど歩けど、予約したビジネスインノルテが見つからない。午後7時台とそんなに遅い時間ではないが、200万都市の割りに歩いている人は全然いないし、寒くて死にそうだ。テカテカ道路と氷点下の気温は、痔と風邪を患った体には堪える。

ビジネスインノルテは大手予約サイトで予約したが、なんとラブホテルと表裏一体のホテルなのだ。入り口の片方がノルテで、もう片方がラブホ。内部は一応、フロアやエレベーターが別れているので、鉢合わせすることはないが・・・。

地図の場所に行っても見つからないのは、ラブホサイドを見ていたからだったのだ。

~お詫びとお知らせ~
この旅行記もどき『Part.3 Last Exit』は執筆者の記憶喪失とデータ消失により、この先の物語が現存していません。

終始ケツが痛かったとかの話だった気がするけど、硬い椅子に座り続けたりするのはケツによくないことは確か。読者諸君も気を付けたまえ。

END

Part.3 Last Exit

序章1 バニラエアで成田~新千歳空港

昨年末に酷い痔を患った私は、年始の用事を埼玉で済ますために北海道から帰ってきた。

この用事が済んだらまた北海道に行くので、北海道にいるうちにバニラエアの成田-新千歳のチケット、総額5,800円を予約。

痔が悪化する以前に予約したこのチケットのせいで、5日間、悶々と過ごすことになる。歩行が困難になるほど悪化するとは思っていなかったのだ。

正月、病院はやっていないし、正月からやっている某ショッピングセンターで痔の薬を買う。寝ているのがせいいっぱいなので、買いに行くのが大変だった。

痔は何タイプか市販薬があるが、塗り薬や座薬が主流。飲み薬もあるが、この時は飲み薬なんか効くかよ、と思い、素人判断で塗り薬を購入。

2~3日使ってみるも、回復に向かっているのが全然不明。以前、寝ている以外のあらゆる動作をすると痛もが酷く、このまま寝たきりになるのではと不安になった。

なにげなく、全国の事故物件(自殺や事件などで死者が出たりした賃貸物件)を調べられるサイトで家の近所を表示してみる。

意外や意外、この平和そうな我が家の半径数キロ圏内には、孤独死の物件が多数・・・。ベッドタウンで家賃そこそこで、地方から出てきたような周りに身内がいない一人暮らしの人間が多いからだろうか。

自分もこのままではそのリストに加わるのでは、と不安に思った。痔が死因とは、もう少し格好いい死因になってみたかった。

明日控えている用事はなんとかなりそうだが、2日後のバニラエアでの北海道旅行はさすがにキャンセルするしかないと思った。

一応バニラエアのサイトでキャンセル規定を調べる。

期待していなかったが、キャンセルしても返金は行われない。変更するのも4,000円もの手数料がかかる。

どっちもバニラエアが儲かるが、特にキャンセルした場合はバニラエアがボロ儲けするのだ。オークションなどの転売も禁止されているので、痔で旅行をキャンセルする場合は、金をドブに捨てたことになる。

散々LCCを乗ってきたが、金をドブに捨てるのは嫌だ。痔さえ回復すれば、キャンセルせず済むのに・・・。

少しでも回復が早まるように飲み薬を買ってみた。

あの物理現象である痔がが飲み薬で治るとは思わなかったので半信半疑だったが、一番安い1,800円する生薬の飲み薬を買ってみた。

今までの壮絶な(自分的に)闘病生活を考えると、こんな飲み薬ごときで治っては溜まらんと思った。

ところが、意外や意外。

飲んで半日くらいから、明らかに痛みや腫れが小さくなったのである。いや、たまたま今まで使っていた塗り薬が効果を発揮してきたのかもしれないが、生薬を飲んで数時間後のことだった。

バニラエアをキャンセルするかどうかは当日の朝まで悩んだ。

生薬のおかげで、ゆっくりとなら歩行可能なくらいにまで回復したので、悩んだ挙句、えいや、行くことにしたのである。もちろん、塗り薬と生薬持参で。

頼むから悪化しないでくれ。

Part.2 The After (痔アフター) 新潟~東北~函館~札幌

5日目 道都・札幌へ到着も体のどこかに異変が・・・

微かな体の異変を感じたのは札幌のホテルに滞在中だったと思う。

デリケートな部分に異物感というか、痛みを感じるようになった。

そういう目的で来ているから仕方ないが、氷点下の街を何キロも散策したり、青森や函館で地酒を堪能したこと。そして、直接的に大きいと思ったのが、久しぶりの長時間の普通列車の座席に座っていたことだろう。

痔になる原因はいくつもあるが、この5日間、ほとんど痔への最短コースを歩んでいたと思う。

最初は軽いものだと思っていたが、3日目となる大晦日、座るのが困難な状態となった。

・滞在中に開発したナポリンハイの記事はこちら

立ってるほうがマシだが、せっかくなので札幌駅付近の有名ラーメン屋、桑に入ってみる。初めての店だ。

桑は確か、一部スーパーで売ってる袋ラーメンにもなっているくらいの有名店だ。札幌の有名ラーメン店はすすきのの歓楽街、飲み屋街にあることが多いが、ここは札幌駅近所の官公庁街、ビジネス街である。

店に入るとカウンター席中心。ラーメン屋というと体育会系の雰囲気の所が多いが、ここは家族経営らしく、店員さんが普通の家族という感じだった。初代(?)経営者のおばさんが「みつお」のあれのような詩集を出しているらしく、店内で販売していた。

見本を見ると「みつお」のあれより意外にグッと来るものが多く、買いそうになったが500円くらいと結構高いので買わなかった。他人に裏切られても、あなたは他人を裏切るな、(だったかな)みたいなのがグッと来た。でも、詩の感じ方は、その時の精神状態によるわな。

味は、すみれとは違う方向のかなりな濃厚系。体調が悪いのもあるが、スープは濃いのと油が半端でないので、健康に悪いから全く飲めなかった。値段はノーマルな味噌ラーメンでも900円台後半。有名税(意味が違うか)のせいで札幌ラーメンの中でもかなり高い。再訪はないな。

でも、韓国や中国人系、また日本人などの観光客っぽい人たちが続々と出入りしていた。でも、900円台となると、割高感は否めない。

帰り、新千歳空港に向かうまでが大変だった。途中、新札幌に寄ったが、休憩しようと思っても椅子に座るのが辛い。公共の場所にある椅子は硬いものが多いので、柔らか目の椅子を探すのが大変だった。

新千歳空港に着いてからはもっと大変だった。これからエコノミー必至なLCCに乗るのは試練だと思った。

無料使える新千歳空港のWifiで調べると、痔は暖めると痛みが和らぐらしい。空港内のダイソーで早速ホッカイロを買う。下着越しに貼ってみるも、効果があるのか微妙。

後で思うと、この段階で薬局で塗り薬と飲み薬を買うべきだったと思う。

ジェットスターは「痔なので乗れません」という泣き言が通用するような航空会社じゃない。いや、JALのビジネスクラスでも厳しいのに、LCCの3人掛け座席の真ん中に乗るんだぞ。

ちなみにジェットスターはWEBチェックインの仕様が変わったようで、座席指定がしょぼい席でも有料になった。無造作割り当てだが、前方から割り当てられるようで、前のほうに歯抜けみたいに3人掛け席の真ん中が空いている場合は注意! たぶん、そこに割り当てられる! そういう時は別の時間帯にチェックインすれば回避できる、かもしれない。

ジェットスターに乗り込む。

3人掛けの真ん中なので遅めに乗り込む。窓側に体格のいいコワモテの男性、通路側に普通の男性がいたので、普通の男性に頭を下げていったんどいて貰い、なんとか着席。痛い痛い。

ジェットスターに限らないがLCCは預けの荷物が有料なので、なるだけ荷物を機内に持ち込もうとする人が多い(サイズ、個数の制限は厳しい)。

そのため、キャリーバックや土産やらで荷物棚が占領されていて、後から乗り込むと真面目に荷物入れる所がない。足元における程度のリュック一つだからいいが、後から乗り込む荷物多い人はどうするの、これ。

成田着。あと数時間で2015年も終わろうとしている今、帰省なのか旅行なのか、渋谷かどこかのカウントダウンイベントに行くのか、こんな日時の飛行機でも割りと混んでいる。それでも年末年始なのに直前に6,000円で買えたのは幸運だろう。

いや、こんな酷い痔になって、幸運も何もないか。

2015年のうちに無事に帰宅。自宅療養に専念する。

END