北海道出身者というか、厳密には俺にしかわからないであろうものがジンギスカンによる禁断症状である。
定期的にジンギスカン以外のことが何も考えられないような症状に襲われる。
ジンギスカンには大きくわけて2種類ある
ジンギスカンは主に北海道で食べられている郷土料理であるが、観光客向けの店で出てくるジンギスカンと、俺が描いているジンギスカンには差異がある。
一つは札幌などの都市部で食べられているジンギスカン。
普通の焼肉みたいに肉だけを焼いて、タレに焼いた肉を浸しながら食べる。札幌で観光客が行列を作っているようなジンギスカン店は、行ったことがないけれど、おそらくこっちのタイプだと思う。
もう一つは、予めタレ漬けされてパックに入って売られているジンギスカン。スーパーなどで作っているオリジナルのものもあれば、メーカーが工場で作っているものもある。
北海道外のスーパーでも見かけるのは大抵はこのタイプ。
拙者の生まれ育った地域ではこのタイプのジンギスカンが主流というか、これ以外は基本的に見たことがない。
北海道外のスーパーでも見かけるは見かけるけど
15年くらい前だったと思うが、東京でジンギスカンが流行ったような気がして、あっと言う間に廃れたという記憶がある。
それくらいの時期に首都圏のスーパーの一部でもジンギスカンを取り扱うようになった。
ただ、伊藤ハムだとか大手メーカーのものが1種類置かれている程度なのが普通。
北海道のスーパーだと10種類くらい並んでいるのが普通なので、ないよりはマシだが、選択肢がたった1つしかないのはいささか不便ではある。
それも3つか4つくらいしか在庫がないのが通常なので、誰かが思い出したようにまとめ買いすると、あっと言う間に品切れになる。
こうなるとジンギスカンが食べたいという禁断症状が起きた時に難儀することになる。
通販で買うと送料が本体代金より高くなるし、売られているスーパーが限られているので探して歩くか、悶々とした気持ちで過ごさなければならなくなる。
北海道以外でもジンギスカンは見かける
ジンギスカンは北海道限定というわけではなくて、青森とか北海道に近い地域では普通に売られているのを昔から見かけるし、岩手県や長野県の一部地域などでも昔から食べられていると聞く。
北海道から遠く離れた沖縄でもジンギスカンは沖縄の人の味覚に合うのかスーパーでよくみかける。
中央から離れた地理的条件や、沖縄も北海道も元々が外国という歴史的な共通点もあってか、北海道の関心が強いというのもあるだろう。
沖縄本島や石垣島にはジンギスカン店があったし、久米島だったと思うが離島で見かけたこともある。
拙者には沖縄そばの禁断症状はないが、沖縄の人が沖縄そばを強く欲するように、北海道の人にはジンギスカンがなくてはならないものである気がする。
死んだ祖父の家で食べたジンギスカンの思い出
田舎のさらに田舎の奥地に住んでいた祖父の家に真冬に行くと、室(むろ)と呼ばれる北海道独特の設備なのかわからないが、床下に食品などを保存する自然の冷凍庫~冷凍庫のような部分から凍ったジンギスカンを取り出してジンギスカンを調理してくれた。
ジンギスカンは保存が利く食品であり、半年くらいは雪に覆われていて、交通が不便な場所に住む人も多い北海道の理にかなった食品なのである。